ARC’TERYX（アークテリクス）から2009年に誕生したVEILANCE（ヴェイランス）は、都市生活の環境に合わせ、都会に生きる人のためにデザインされたアーバンライン。

VEILANCEが展開しているプロダクトは、ARC’TERYXがアウトドアフィールドで培った「デザイン、クラフトマンシップ、パフォーマンス」を基盤にして最高品質の製品を生み出し続けてきた技術に、革新的かつ洗練されたミニマルなデザイン思想を加えて作られています。こちらの連載では、そのプロダクトに込められているテクノロジーと細かなこだわりをご紹介し、VEILANCEがもつ深みをお見せしていきます。

初回となるVol.1では、「GORE® C-KNIT™ Backer Technology （ゴア® C-KNIT ™ バッカーテクノロジー）」を採用した2つのプロダクト、「Arris Jacket（アリス ジャケット）」と「Centroid Jacket（セントロイドジャケット）」を紹介します。 

VEILANCEの美学の結晶

2016年に誕生した「Arris Jacket」は革新的なデザインと快適な着心地が特長。2015年2月よりゴア社が展開をはじめたファブリックであるGORE® C-KNIT™ Backer Technologyを採用しており、生地の質感、肌触りの良さがストレスのない着心地を支えます。風雨をしのげる上に、持ち運びにも適した330gという軽量さ、かつカバンやリュックにかさばらずに忍ばせられる優れた収納性を備えているため、急な天候の変化の多い昨今の都市生活において、オールシーズン重宝します。また、ソリッドにまとめられたデザインは、ビジネスでもオフでもシーンを選ばず活躍。都市における最適な機能を追求し、注ぎ込まれるテクノロジーの真髄は袖を通していただくことで体感できます。

「Arris Jacket」のDNAをもつ待望の新作

「Arris Jacket」同様、柔らかな質感のGORE® C-KNIT™ Backer Technologyを採用し、高い透湿性を保ちながら優れたプロテクションを備えています。素材とシルエットによってモダンな表情を見せるコーチジャケット仕様で、立体構造パターンが快適な着心地へと導きます。カジュアルながらも品の良さを保つことで、着こなしの選択肢を広げ、腕周りなどの可動域がしっかりと確保されている点や、内外どちらにも収納力のあるポケットが配置されている点など、機能を保ったままデザインを磨き上げていくという美学を感じることができます。

最先端の技術の裏側には、手作業のクオリティが宿っています。ソリッドなプロダクトと最先端のテクノロジーのイメージが強いですが、ステッチの縫い付けやテープの貼付などは、手作業による緻密な職人技が施されています。

GORE® C-KNIT™の生地拡大写真。目の細かさが、肌触りの良さやなめらかな質感を生み出していることが窺える。

GORE® C-KNIT™ Backer Technology の拡大写真。細い15dの糸を使用した、特殊な丸編み構造の裏地技術。目の細かい丸編みニットの構造によって、素肌の上に着用しても張り付くような不快感はなく、快適な着心地を提供します。

1998年にARC’TERYXが初のアパレルプロダクトとしてデザインし、過酷な自然環境でも耐えうるよう現在に至るまでアップデートを重ねてきた「Alpha SV Jacket」。このプロダクトに用いられた緻密な設計のパターンやマイクロステッチ、シームテープの技術などが「Arris Jacket」や「Centroid Jacket」にも採用されています。
このように、VEILANCEには都市での最適なプロダクトを生み出すDNAとして、アークテリクスが培ってきたノウハウが宿り、細部に至るまでテクノロジーが存分に注ぎ込まれています。生地や細かな仕様に目を向け、こうした類似点などを探すのも楽しみ方のひとつとなるかもしれません。