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ARC’TERYX（アークテリクス）から2009年に誕生したVEILANCE（ヴェイランス）は、都市生活の環境に合わせ、都会に生きる人のためにデザインされたアーバンライン。

VEILANCEが展開しているプロダクトは、ARC’TERYXがアウトドアフィールドで培った「デザイン、クラフトマンシップ、パフォーマンス」を基盤にして最高品質の製品を生み出し続けてきた技術に、革新的かつ洗練されたミニマルなデザイン思想を加えて作られています。こちらの連載では、そのプロダクトに込められているテクノロジーと細かなこだわりをご紹介し、VEILANCEがもつ深みをお見せいたします。

Vol.2では、VEILANCEコレクション唯一のバックパック、「Nomin Pack（ノミン パック）」をご紹介いたします。 10年にわたってアップデートを繰り返しながら機能を追求してきた名作に注ぎ込まれるテクノロジーとストーリーをご覧ください。

機能の先にある美しきフォルム

VEILANCE 2014年の春夏コレクションから多くのユーザー様に愛されている「Nomin Pack」。丸みを帯びた構築的なフォルムからは想像できないほどの容量と利便性を兼ね備えています。
メインの収納部分は衝撃を和らげるスリーブで仕切られており、ノートPCやタブレット端末などの持ち運びも可能。加えてポケットや小さなスペースも確保されているので、表面からだけは計れない充実の収納性や容量をご体感いただけます。そして、大容量だからこそ心配な肩の負担に対しては、アークテリクスのクライミング用のハーネスの技術を採用した、ショルダーベルトが荷重を分散させ、安定感と快適な使い心地を実現しています。また、全体に水や汚れ・摩擦に強いラミネート加工が施され、裏側はシームテープで圧着、さらにジッパーには止水ジップを採用しているため日常的な使用であれば浸水の心配はありません。
利便性とデザインの両面を追求することは、バックパック選びにおいて常に解決しづらい課題ではありますが、機能をベースにデザインの美しさが引き出された「Nomin Pack」こそが、その解決策となる製品と言えるでしょう。

収納スペースの仕切りをはじめ、表面上からは見えてこない充実した機能が、圧倒的な使いやすさを生み出しています。ジップが大きく開くため、上から物を取り出す際にももちろん役に立ちますが、バッグを横にして収納した物を取り出すことが容易な設計となっており、デザイン同様、無駄のないスマートな使用感を実現しています。 

収納部分は大きく2つに分かれています。背中に近いメインの収納部は、スリーブによって仕切られており、15インチ程度の比較的大きめなノートPC、ファイルや書類も容易に収納できます。また2つの収納部分の上部にはそれぞれ収納スペースが確保されており、細かな物はまとめておけるため、バッグ内が散らかることを避けられます。普段の街中で、ビジネスシーンで、もしくは短期の旅行なども「Nomin Pack」ひとつあればシーンを跨いで広く活躍します。

「Nomin Pack」にもまたARC’TERYXに根付くDNAがしっかりと落とし込まれています。中でも最大のポイントは、ショルダーベルトの構造に、クライミングで使用するハーネスの製造において培った技術を採用しています。クライミングで命を守るために装着するハーネスは、体重を支えるだけでなく、負荷を和らげる設計が重要です。ここで用いられている「WARP STRENGTH TECHNOLOGY™（ワープ・ストレングス・テクノロジー）」という技術は、1本のスリングの縦糸を両端を残して抜き取り、残った横糸を広げてラミネート成型するというものです。
この「Nomin Pack」のショルダーベルトにも同じ技術が採用されているため、荷物の荷重が分散されるとともに、ステッチが食い込むことを防ぐことが出来ます。
このようにハーネスに採用されている技術をショルダーベルトに落とし込むことで、重い荷物であってもストレスない着用が可能になっており、過酷な山の環境下で培ってきた技術は、都市の生活の中でも形を変えて活用されています。