DELTA
フルモデルチェンジを遂げたフリースコレクション
「DELTA(デルタシリーズ)」
DELTA(デルタ)
フリースコレクション「デルタ」は、アークテリクスがクライミングハーネス、バックパックに続き、アパレル製品をラインナップに加えた当初から、欠かすことのないコレクションの一つです。
アクティビティ中の汗の拡散をさせながらも体温を保つウェアとして着用されることの多いフリースは、新たな生地の開発や表生地・裏生地の構造などのアップデートすることで、狙った着用シーンにあわせたプロダクトの開発を長年続けてきました。
そして2024年には、素材を新たにOCTA®(オクタ®)に変更しフルモデルチェンジをしました。ここではその革新的な素材にフォーカスしていきます。
CHAPTER1
OCTA®(オクタ®)とは
糸の側面が下図のように8つの突起があり、その間には空気を含めるスポットがある繊維がOCTA®。この繊維を使いふんわりとしたロフトのある生地にすることで、保温力と通気性を両立しています。
アークテリクスでは2019年シーズンからOCTA®を使用したウェア「Proton FL Hoody(プロトン FL フーディ)」をラインナップ。
当時のモデルは起毛面が毛足の長い起毛で均一に施した生地を使い、2022年モデルはメッシュ面と起毛面を裏返して採用し、名称も「Proton Lightweight Hoody(プロトン ライトウェイト フーディ)」に変更。
起毛面を格子状にすることでより通気性を高めるなど、OCTA®はProton Lightweight Hoodyの進化を支えています。
CHAPTER2
全く新しいOCTA®を採用したDELTAシリーズ
今回DELTAシリーズに採用されたOCTA®は従来とは全く異なります。
毛足がより短い1mmの長さになり、またメッシュ面の柔らかさも向上しました。
メッシュ面は耐久性を高めた生地に変更
従来のOCTA®は、外側にソフトシェル素材を重ねることで耐風性を高めたウェアであり、OCTA®のメッシュ面には少しザラついた生地が使用されていました。それでもパフォーマンスに影響がなく、起毛面の肌触りにも変化がないため、この仕様が採用されていました。一方、新しいDELTAシリーズに採用されたOCTA®は、メッシュ面を耐久性を高めた生地にアップデートしています。これにより、引っかきや擦れに対する耐久性が向上しました。結果として、レイヤリング時はもちろん、デルタ単体での着用シーンでも安心して使用できるようになりました。
夏のアクティビティでも
オーバーヒートさせない高い通気性
最も短い毛足のOCTA®は、通気性能を高めたため、クライミング時は着たままでもオーバーヒートしない快適さを提供します。春や秋の低山、夏の高所登山でも着脱を減らして過ごせるよう進化しました。着用したお客様から「長袖でありながらも半袖のような気持ちよさ」と、フィードバックをいただくほどです。
高い通気性がもたらす涼しさと、適度な保温性能により、快適な温度を維持しながら着用することができます。
CHAPTER3
新しいOCTA®、その開発背景を紐解く
始まりは2022年、OCTA®の製造元である帝人社とアークテリクスが共同開発を開始した時に遡ります。
従来のフリースよりも起毛の脱落が少なく環境にも配慮しながら、フリースとしての暖かさと弱点ともいえる熱い空気がこもり蒸れた感覚を改善することを目標に生地の開発が始まりました。
メッシュ面に採用された「DELTAPEAK™」
試行錯誤の中で生まれたのがメッシュ面に採用された新素材「DELTAPEAK™」。メッシュ面はより細かくループ状になった糸で構成され、そのために滑りが良く、表面もフラットで肌触りも滑らか。このメッシュ面にOCTA®糸を編むことで、今回のデルタシリーズが生まれることになります。
日本ならではの高い裁断技術が生んだOCTA®
OCTA®は、上述したDELTAPEAK™のメッシュ面とメッシュ面の間にOCTA®糸が配されている構造です。
これをちょうど半分の厚みに裁断することで、ウェアに使用される生地が作られています。元の生地の厚みは2mmであるため、半分に裁断されたデルタシリーズのOCTA®は毛足の長さが1mmとなります。
この裁断には高度な技術が求められますが、それを可能にするのが日本の工場ならではの技術です。実際に製品を手に取る際には、細部までじっくりとご覧いただくことで、その技術の高さを感じることができます。