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『Hoods to Woods(都会から森へ)』
A No Wasted Days™ Story
「子供たちをコンクリートから引き離すことは、我々にとって最も重要なことです。子供たちにとっても、私たちが教えたことが彼らの世界の一部となり、一生の支えとなるはずです」
ーオマー・ディアス、Hoods to Woodsの共同設立者
セリーニュ・ディアオ、23歳。現在Hoods to Woodsで働いているが、彼がこの団体でスノーボードを習い始めたときはまだ12歳だった。今では彼が新しい世代の都会の子供たちにスノーボードの乗り方を教えている。
「ニューヨークのブルックリンで育った僕にとっては、スノーボードをするのは郊外から来た人たちだとずっと思ってたんだ。ブルックリンでは、黒人の子供たちがああいうことをやっているのをあまり見かけなかったからね」
セリーニュは自分が育った場所を愛しているが、そこはコンクリートに囲まれていた。「スノーボードを始めたとき、Hoods to Woodsの人たちとの恵まれた機会を活かさなければと思った。歓迎されていると思ったし、もっといろいろなことが可能なんだと感じた」と彼は回想する。
ニュージャージーの川を越えたところに、巨大な屋内スキー場がある。「ビッグ・スノー」と呼ばれるこのゲレンデは、ニューヨーク・ジャイアンツとニューヨーク・ジェッツがプレーするNFLスタジアムの隣にある。セリーニュたちはときどきマウンテン・クリーク・リゾートに出かけてアウトドアライディングを楽しむが、「ビッグ・スノー」はアクセスしやすいため、一年中子供たちにスノーボードを教えることができる。
「最初にスノーボードをやったときは、正直、かなり下手くそだったよ」と笑う。「そんな中でも僕がスノーボードをがんばれたのは、僕を信じてくれる人たちがいたからだ。僕は自分ではそんなに上手くないと思ってたけど、すごく応援してくれるから彼らには僕に見えていない何かが見えているのかもしれないと思ったんだ。おかげで、自分にとって克服できないことなんてないと思えたんだ」。
山に囲まれて育ってこなかった人にとって、スノーボードのようなスポーツはわからないことだらけだ。何を着ればいい? どこに行けばいい? どうすれば転ばない? Hoods to Woodsは、そうした悩みを解消し、子供たちが自分の居場所だと感じられるよう、楽しいほうへと導いてくれる。しかもすべて無料で。
ニューヨーク・ブルックリンに住むスノーボーダー、セリーニュは移動手段も気ままだ。NYらしく、地下鉄や自転車、そして自分の足で目的地に向かう。結局のところ、それがいちばん便利なのだ。「スノーボードのない人生が想像できないようになるよ」。
「家でのことや、日常のあらゆる状況から解放してくれる山での一日は、子供たちにとってまさに自由そのものです」と言うのは、共同設立者のブライアン・パウパウ。
ブライアンは2009年、オマー・ディアスとともにHoods to Woodsを立ち上げた。彼はスノーボードが大好きで、マウンテンスポーツを体験できない都会の子どもたちに、スノーボードを存分に楽しんでもらいたいと願っていた。
彼のビジョンを聞いたオマーは協力を申し出た。そして14年経った今、ニューヨーク近郊の子どもたちに一年中スノーボードを楽しめるような環境を整え、指導している。
もっとも大変なのは、定員と財源が足りないために子供たちの参加を断らなければならないことだ。彼らは常に成長し、サポートを得たいと模索しているのに。
セリーニュはHoods to Woodsの活動をとても楽しみ、そこから多くのことを学んだ。たとえ時間がかかっても、子供たちはかならず新しい発見をする。そして、まさにその瞬間に立ち会うことができるのだ。
「Hoods to Woodsのような団体が全国各地にあれば、大きな影響を与えることができると思います。私はHoods to Woodsでの活動を始めて10年ですが、まだまだ成長中です。これからもやってみたいことがたくさんあるんです」。